蔵王一帯は宮城県内で最もブナ原生林が伐採されたところです。残り少ない森を守るとともに、中腹部に広がる荒れ地を緑の森に復元するために活動をはじめました。
現在は保水力のある森林の復元―“落葉広葉樹の森”作りを主な活動としています。
荒れ地が緑豊かな森に戻るまでには、かなりの年月がかかります。この森作りを将来にわたり、息の長い活動にすることがとても大事になります。そのため会では“自然”と親しみながら地道な森作りをしています。
当会の活動によって、荒れ地は確実に緑の山へと向かっています。
◆野営場から森作りが始まりました
国立南蔵王青少年野営場は、蔵王町との境に近い白石市の蔵王山系東斜面で、標高約630m〜800mに広がっている自然環境の非常に厳しい場所です。この一画に植林ができるようになったのは1990年で、このときから本格的に森作りが始まりました。
区画毎に植林・育林・手入れ・調査・計測等を行っています。植林樹種は蔵王山系に自生する落葉広葉樹で、荒れ地に最も早く入ってくるヤマハンノキやブナ科のブナ、コナラ、ミズナラが主体です。
◆苗木は畑に種子をまいて作ります
苗畑は白石市近郊で、みんなで拾い集めたドングリなどの木の実をまいて苗木を作ります。
苗木は植林されるまでの数年間はここで育てられます。苗畑の管理で大変なのは雑草取りで、夏の時期の作業は雑草との戦いの連続です。
◆植林木の調査・手入れもします
植林地では、決められた範囲内の植林木1本1本の成長記録をとっています。また、野生の小動物・鳥類・昆虫の樹木への影響や被害状況の調査を行うほか、樹木によっては枝打ちや間伐の作業も行います。
さらに、植林活動以外でも必要に応じていろいろな調査も行います。1997年には刈田峠(蔵王エコーライン)付近のアオモリトドマツの立ち枯れ調査も行っています。
◆みんなで植えた植林祭
1993年、マスコミを通じて呼びかけた一般の方々といっしょに植林祭を行いました。
小雨にもかかわらず総勢200人あまりで苗畑や会員の家で育てた約25樹種4,500本をこえる苗を野営場に植林しました。はじめて木を植える経験をした方もたくさんいました。家族での参加も多数いて、子供たちにもずいぶん手伝ってもらいまいた。
そのとき植林した木々に、小鳥の巣が見られるまでに大きくなっています。
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